書評『七つの原理』 第1章「全一統体の原理」② 丸山敏秋著

2022/10/29

親と子孫はひとつながり

気質の遺伝、あるかもねぇ。

でも、気質というと少し違う気もする。人は文化の継承であり、人は人によって育てられることによって人になる。

日本人に育てられれば日本人になるし、人は鏡、子女名優。育ての親にいただくもののほうがずっと比率は高い。

さらにその根底にでDNAに刻まれているその人の気質みたいなものがみれるとしたら、、、う〜ん。思いつかない。

体の遺伝は親の影響が大きいけど、ここに書かれているように気質みたいなものに影響を感じることはないなぁ。

あえていうなら、生まれたての赤ちゃんの頃はそれしか影響がないだろうから、ゼロではない。

だけどその後どうとでもなる。

DNAはそんなに多くの情報は入れられないと思う。

「半分ずつ」ここも違う気がする。割合があるから父に寄ったり母に寄ったりする。そういう類のものは不完全に伝承するのが本質だと思う。

だけど、仮にその気質が遺伝するとしても、私は両親ともに好きだから良かったなって思う。

両親が私を作ったのではなく、その辺りは神様の授かり物のように感じるかな。心のある親の元に生まれてありがたいと思うばかりです。

人生は「神」の演劇

第十七条にある「人生は神の演劇 主役は己自身である」について、これは丸山敏雄がカントの影響を大きく受けたように感じる。

私自身、カントの『純粋理性批判』で「思えばそれと異なる」の部分が、それ以外に存在し得ないと中学生のときからの存在否定に繋がる悩みを払拭した。

これみんな難しいというけど、自分は宇宙に確実に存在していると自分では思っているのに、その宇宙はどこに端があり、その端の向こうはどこまで続くのか。宇宙が生まれる前はなんだったのか。それはいつから始まっているのか、始まる前は無だったという人もいるが、その無はいつから始まったのか。始まりがあれば終わりがあるのが本質なのに、どうなると終わるのか。メビウスの輪のように終わりがないとしたら、もうひとつとは限らなくなる。そして、その外側にはなにがあり、どこまで続いているのか。

時間というタイムラインは確実に存在していると実感するのに、それはいつから始まったのか。

「在る」ということは、確実に始まりがある。だがしかし、その前が存在するわけがないのだ。

そして、そのあり得ないものの中に確実に自分は存在している。

これが「初めの苦悩」だと思うんだ。

中学生のときにこれ考えてしまって、吐き気がした。学校どころじゃないほど考えて考えて考え抜いたけど、思いつかず吐き気がする。

自分の存在が否定されているわけだからな。

この答えはカントの「純粋理性批判」やプラトンの「イデア論」が持っていたと私は思う。

そもそも「言えばすでにちがう。考えればもうこれと離れる」という、人間の叡智を超えてしまったものなわけだから、わかるはずがないものだ。というのが「純粋理性批判」に書かれてる。

若いが故に知識不足経験不足からなるものと思いきや、そもそもわかるものではないというのが答え。

ちなみに、第十七条は漢字の羅列と仏教の専門用語で余計に撹乱しておりますが、ひとつひとつ翻訳していくとわかるようになるよ。

光明無量

阿弥陀仏から放たれる光明が無量であること。

参照 : 浄土宗大事典

寿命無量

寿命が無量であるという阿弥陀仏の徳相のこと。 単に阿弥陀仏の寿命が量り知れないというだけではなく、その救済のはたらきも時間的な限定が存在しないことを意味する。

参照 : 浄土宗大事典

というわけ。

神の存在、壮大な宇宙創生・万物創生を語るけど、最終的にはどんなに壮大な物語でも、演じれるのは自分自身だけであり、自分だけの物語である。というように解釈しています。

そして宗教とは違うと言えるものは、丸山敏雄は神道でも仏教でもない。神は「万象の根源」そして「説明を超え、感覚の外にある」と言い切ってる。誰かでもなければなにかでもないものを指してるのよ。

これも私が中学の時に出した答えのまま。逆説的にいえば中学生でも真剣に考えればわかるということ。

みんながここを読み解きにくい理由は、

  • 壮大すぎる物語を数行にまとめてるから
  • 漢字が多い
  • 少しだけ感じる古い言い回し
  • 仏教に興味がない人にとっては専門用語が多すぎ
  • この数行で想像できない大きな数から量子にまで一気に視点がいく(笑)

難解に見えるけど、一文節ごとに読み解いていけば、理解しやすい文章だと思うよ。

「私は人です」と言っちゃうくらい当たり前のことなんだけど、それを証明するというのは難しいということ。

こうなると、どうして丸山敏雄は教育者で哲学者で名前が残っていないんだろう。

哲学者というのは大学で哲学の博士号を取得した人を指すのかな。

本を出しただけの人も多く名前を残しているような気がしてるけど🤔

なんかもったいないなぁ〜。。。

自身の理論も確立してるし、立派な哲学者なんだけどなぁ。。

丸山敏雄は哲学を研究していたけど、研究所は丸山敏雄を通して人の幸せになる方法を研究してるよね(笑)

なんか変なの😂

私が「生かされてる」と気付いたのはその中学生の頃に答えのないものを悩みきったおかげ。

私だけじゃないと思うけど。厨二病って言葉があるくらいだし。

哲学は生き方を考える定めるための指針となる学問だと思う。

よく無駄だって言われるけど、指針のない人生や経営をするような人がそういうんだろうね。なら仕方ないね。

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